O. 海底谷(かいていこく、Submarine Canyon)

海底に発達する谷地形。



O1. 青ヶ島(あおがしま)海底谷 (図VII-1)

32°35′N、140°15′E。水深600-5,600m。長さ165km。青ヶ島北東の陸棚斜面上部から始まり、伊豆・小笠原海溝陸側斜面なかほどのベンチ(小規模な平坦面)に達する。弱い蛇行を示す。上流部の水深1,500m以浅では樹枝状に分かれる。海底谷の形成は、後期中新世-鮮新世にはじまる。水深1,800mでの試錐によると基盤は漸新世以前の安山岩-流紋岩で、その上に厚さ804mの初期漸新世以降の堆積層がのる。堆積層は後期鮮新世(3Ma)以降、島弧の噴火活動が盛んになったことを示している。[海6422]



O2. 安芸(あき)海底谷 (図IV-4)

33°15′N、133°55′E。水深120-1,040m。四国安芸沖の陸棚斜面をほぼ南北に刻み、土佐海盆に流れる。長さ53km。海盆では殆ど谷地形は分からなくなるが、流路はさらに土佐海盆と外縁隆起帯を抜けて、水深1,840mの付加体の中にできている溝状地形に流入する。ここまでの長さを入れれば105km。[海6633、6602]



O3. 朝日(あさひ)海底谷 (図VI-4,図VI-5)

37°10′N、137°30′E。水深880m-1,300m。長さ25km。富山県東部沖を北に流れ、富山深海長谷に合流する。主流の海底谷に流入する必従谷に谷頭水深を求めれば、100-200mになる。流域の斜面の水深1,000-1,100mには海底地滑りである盛土地形がみられる。[海6334-3]



O4. 足摺(あしずり)海底谷 (図IV-4)

32°30′N、133°20′E。水深160-2,500m。長さ95km。足摺岬沖大陸棚外縁から始まり、外縁隆起帯を抜け、水深2,500m付近まで追跡できる。付加体に入ってからの流路は通常の谷のようには追跡できないが、南海舟状海盆底に達しているものと見られる。[海6633、6601]



O5. 熱海(あたみ)海底谷 (図IV-2)

35°05′N、139°10′E。水深400-1,240m。長さ13km。熱海沖初島北方から相模舟状海盆の北端部に流れる。[海6640]



O6. 安乗口(あのりぐち)海底谷 (図IV-4)

34°15′N、137°05′E。水深140-1,960m。長さ50km。伊勢湾口大陸棚外縁から陸棚斜面を削り、熊野舟状海盆東部に流入。1,200mまでは狭谷であるが、それ以深では谷底は広くなる。下流部に自然堤防が形成されている。[海6635、6602]



O7. 網走(あばしり)海底谷 (図III-1)

44°10′N、144°25′E。長さ85km。谷頭は網走沖水深90m付近にある。1,400m付近からは海底扇状地の中を流れ、2,000m以深の千島海盆に達する。谷の西側斜面は相対的に急崖になっている。[海6311]



O8. 安房(あわ)海底谷 (図IV-3)

34°25′N、140°40′E。水深2,400-7,000m。長さ125km。房総半島南端沖に始まり、相模舟状海盆の南側を流れ、勝浦海盆に入る。蛇行も弱く、谷の切り込みも浅い。[海6642、6603]



O9. 硫黄(いおう)海底谷 (図VII-1)

24°45′N、140°20′E。水深2,900-4,200m。長さ110km。硫黄島西方100kmにある。七島・硫黄島海嶺の西側にはいくつかの雁行する舟状海盆があり、3,000m以浅と4,000m以深の舟状海盆をつなぐ斜面にできた谷のひとつである。[海6726]



O10. 伊西(いせい)海底谷群 (図V-2)

27°20′N、126°10′E。水深200-1,400m。長さ15-35km。28°-29°20′Nには東シナ海陸棚斜面を浅く刻む谷が集中している。斜面では必従谷であるが、1,000m以深では沖縄舟状海盆底に筋をつける程度。[海6315]



O11. 石廊(いろう)海底谷 (図IV-4,図IV-5)

34°15′N、138°45′E。水深200-3,500m。長さ55km。伊豆半島石廊埼沖の大陸棚外縁及び陸棚斜面から駿河舟状海盆の南端に向けて流れる。海底谷の下流部は構造谷である。[海6603]



O12. 襟裳(えりも)海底谷 (図III-1)

41°40′N、143°40′E。水深150-2,900m。長さ80km。襟裳岬沖大陸棚外縁から陸棚斜面を刻む。水深200m付近で比深150mほど。[海6375、6311]



O13. 小川原(おがわら)海底谷 (図III-1)

41°10′N、141°45′E。水深160-1,700m。長さ125km。陸奥小川原沖大陸棚外縁付近から日高舟状海盆に流れる。[海6372-4、6372]



O14. 尾鷲(おわせ)海底谷 (図IV-4)

33°50′N、136°20′E。水深180-2,040m。長さ25km。紀伊半島尾鷲沖、大陸棚外縁付近から陸棚斜面を刻み、熊野舟状海盆に流入する。周辺の陸棚斜面にはおびただしい数の必従谷がある。本海底谷もそのような谷のひとつである。[海6635、6602]



O15. 御宿(おんじゅく)海底谷 (図IV-3)

35°N、141°E。水深1,400-3,300m。長さ30km。片貝海底谷の支流。[海6642、6603]



O16. 鹿島(かしま)海底谷(仮称) (図III-1,図III-2)

鹿島灘陸棚斜面に発し、深海平坦面外縁の隆起部の切れ目をぬって日本海溝最深部付近に達する。[海6313]



O17. 片貝(かたかい)海底谷 (図III-2,図IV-3)

35°15′N、141°E。水深100-6,000m。長さ115km。房総半島九十九里沖大陸棚外縁から発し、プレート三重点の手前の一段浅い勝浦海盆に流入する。そこには、房総海底扇状地(水深6,600-7,400m)が形成されている。[海6642、6603]



O18. 片瀬(かたせ)海底谷 (図IV-2)

35°13′N、139°25′E。水深110-1,020m。長さ13km。三浦半島片瀬沖に発し、1,000m付近で谷地形は目立たなくなるが、平塚海底谷と合流し相模舟状海盆に入る。[海6363-5]



O19. 勝浦(かつうら)海底谷 (図III-2,図IV-3)

34°55′N、140°35′E。水深300-5,400m。長さ75km。房総半島勝浦沖にあり、谷頭は幅20kmにわたって樹枝状にひろがる。上・中流部は陸から伸びてくる安房-鴨川地溝帯の東方延長部を流れる。[海6642]



O20. 鴨川(かもがわ)海底谷 (図IV-1,図IV-3)

35°N、140°15′E。70-2,800m。長さ40km。房総半島鴨川沖の大陸棚から始まり水深2,800m付近で房総海底谷と合流する。[海6640、6603]



O21. 紀伊(きい)海底谷 (図IV-4,図IV-6)

33°35′N、134°55′E。水深120-1,420m。長さ40km。紀伊水道入口から室戸舟状海盆に流れる。陸棚斜面を600-700mほど侵食している。15km東には平行して日高海底谷がある。[海6634、6602]



O22. 釧路(くしろ)海底谷 (図III-1)

42°30′N、144°30′E。長さ180km。大陸棚の水深100mに発し、上部大陸斜面を南下したあと、釧路-根室沖の上部大陸斜面基部に沿って東-東北東に向きをかえるが、その後も下部大陸斜面を下刻し、千島・カムチャツカ海溝斜面に達する。海底谷の西側海域には水深700-2,100mの深海平坦面が広がり、この付近での谷の深さは500-600mである。[海6649、6311]



O23. 慶良間(けらま)海底谷群 (図V-2)

25°40′N、127°10′E、水深400m-1,900m。長さ20-30km。沖縄慶良間列島南方にあり、陸棚斜面を浅く刻む多くの必従谷が幅60kmにわたって分布する。[海6315]



O24. 五島(ごとう)海底谷 (図V-2)

32°15′N、128°40′E。水深500-600m。長さ47km。福江海盆(五島列島福江島南西)南東端の水深400mに谷頭があり、水深700mの男女海盆にいたる。幅5-10kmのU字谷。福江海盆と男女海盆を直線的につなぎ、堆積物を沖縄舟状海盆に運ぶ水路でもある。[海6349、6350]



O25. 三陸沖(さんりくおき)海底谷群 (図III-1)

39°20′N、142°30′E。水深300-1,500m。長さ40km程度。三陸沖には、南北10kmの間に、宮古海底谷、山田海底谷、大槌海底谷、釜石海底谷など、直線的な流路をもつV字谷がある。斜面途中で消える谷もあるが、深海平坦面の1,500m付近に流れ込む。水深450-500m付近で比深100m程度。水深600mでは比深100m以下になる。このほか、海底勾配が50/1,000を超える斜面に限って分布する小さな谷もある。いずれも堆積物の滑動によって形成された必従谷。[海6312]



O26. 潮岬(しおのみさき)海底谷 (図IV-4)

33°15′N、135°50′E。水深1,420-4,500m。長さ145km。室戸舟状海盆の中央部付近に発し、舟状海盆陸側斜面の基部を沿うように東に流れ、潮岬沖付近からは複雑な地形が発達するリッジ・アンド・トラフゾーンでもある舟状海盆陸側斜面を通り抜け、南海舟状海盆底に達する。上流部は紀伊海底谷と日高海底谷につながる。[海6634、6602]



O27. 斜里(しゃり)海底谷 (図III-1)

44°10′N、144°45′E。水深90-1,000m。長さ25km。知床半島西方にある小規模な谷。[海6311]



O28. 庄(しょう)海底谷 (図VI-4,図VI-5)

36°50′N、137°07′E。水深10-900m。長さ14km。富山湾奥の陸棚斜面を下刻する谷のひとつ。小矢部川、庄川河口付近に始まり、水深900m付近で神通海底谷と合流し、能登半島東方水深1,100m付近で富山深海長谷になる。600mまでは急峻である。大陸棚外縁付近の下刻は300m。[海6662]



O29. 城ヶ島(じょうがしま)海底谷 (図IV-1,図IV-2)

35°05′N、139°27′E。水深100-1,420m。長さ21km。城ヶ島沖を発し、相模舟状海盆に入る。[海6363-5]



O30. 神通(じんつう)海底谷 (図VI-4,図VI-5)

36°50′N、137°13′E。水深10-900m。長さ17km。富山湾奥の大陸棚及び陸棚斜面を刻む谷。神通川と連結しており、運び込まれる土砂によって谷が侵食され、維持されている。水深900m付近で庄海底谷と合流する。大陸棚外縁付近での切れ込みは250m内外。600mまでは急峻。[海6334]



O31. 須美寿(すみす)海底谷 (図VII-1)

31°15′N、140°20′E。水深900-5,600m。長さ160km。須美寿島地塊の南斜面を刻む多くの谷を集め、伊豆・小笠原海溝陸側斜面のベンチに流れ込む。流域の基盤は、初期漸新世の安山岩質火砕岩・溶岩である。[海6527、6302]



O32. 銭州(ぜにす)海底谷 (図IV-5)

33°45′N、138°55′E、水深680-3,800m。長さ105km。銭州海嶺の東及び南麓を流れ四国海盆に入る。銭州海嶺の南麓沿いに、流路を西に変える水深2,700m付近からは海底扇状地のなかを流れる。[海6603]



O33. 孀婦(そうふ)海底谷 (図VII-1,図VII-2)

29°45′N、141°40′E。水深4,000-5,000m。長さ80km。小笠原舟状海盆の北端から小笠原海嶺の北側を流れ、その後伊豆・小笠原海溝陸側斜面上部を刻む。谷の切り込みは浅い。[海6554、6302]



O34. 高松(たかまつ)海底谷 (図IV-4)

34°21′N、137°20′E。水深120-1,100m。長さ25km。渥美半島沖大陸棚-陸棚斜面を刻む。水深200m付近で比深300m。さらに弱い谷筋を下流にたどれば天竜海底谷の上流部に達する。[海6635、6602]



O35. 館山(たてやま)海底谷 (図IV-1,図IV-2)

35°N、139°45′E。水深60-800m。長さ13km。房総半島館山湾に発し、東京海底谷に合流する。[海6363-2]



O36. 多良間(たらま)海底谷群 (図V-2)

24°20′N、125°E。水深400-1,800m。長さ20km。先島群島多良間島-石垣島沖の陸棚斜面の70km間に、小規模の谷が10筋以上集中して分布する。[海6315]



O37. 第1赤尾(だいいちせきび)海底谷 (図V-2)

26°20′N、124°55′E。水深150-1,900m。長さ90km。尖閣諸島の北東の大陸棚外縁部を削り、出口となる沖縄舟状海盆に扇状地をつくる。水深500mでの下刻は700mほど。[海6315]



O38. 第1北東赤尾(だいいちほくとうせきび)海底谷 (図V-2)

26°40′N、125°18′E。水深140-2,000m、長さ85km。東シナ海の大陸棚外縁から始まり、流出口の沖縄舟状海盆に扇状地をつくる。[海6515]



O39. 男女(だんじょ)海底谷群 (図V-2)

31°59′N、128°40′E。水深300-700m。長さ36km。東シナ海大陸棚北端部の男女群島東方陸棚斜面を刻む海底谷の集まりで、沖縄舟状海盆北端の男女海盆に流入する。[海6350]



O40. 中央五島(ちゅうおうごとう)陸棚谷群 (図V-2,図VI-2)

33°20′N、128°15′E。水深120-200m。長さ110km。朝鮮半島南方の外陸棚水深120-125mに始まる陸棚谷。大きくは2筋が北か南に流れ下流部では1本になり、福江海盆で東五島陸棚谷群と合さる。[海6347、6349]



O41. 天竜(てんりゅう)海底谷 (図IV-4,図IV-5)

34°N、137°35′E。水深1,000-3,800m。長さ95km。上流部は、陸棚斜面を削る浜岡海底谷、大東海底谷、川口海底谷、浜松海底谷、舞阪口海底谷、本宮山海底谷を水深1,000m付近で一本に集める。中・下流部は陸上の明石裂線の沖合延長上を北から南に流れる谷で、断層によって形成された造構造谷あるいは弱線を侵食した適従谷である。末端は南海舟状海盆に達する。外縁隆起帯を刻むところでは比深1,000mもある。[海6639]



O42. 東京(とうきょう)海底谷 (図IV-1,図IV-2,図IV-3)

35°10′N、139°45′E。水深80-1,400m。長さ60km。東京湾浦賀水道に谷頭を有し、館山西方で相模舟状海盆に流れる。下流部の切り込みは1,000mに達する。[海6363-1]



O43. 泊(とまり)海底谷 (図VI-4,図VI-5)

37°10′N、137°38′E。水深100-1,330m。長さ30km。2つの谷頭が、飛騨山脈が日本海に迫る沖合の水深80-100mの陸棚にある。中流部でU字谷、下流でV字谷となる。富山深海長谷の支流のひとつ。[海6662]



O44. トンビ海底谷 (図V-2)

28°40′N、130°05′E、水深300-4,600m。長さ170km。谷頭のひとつは喜界島北方にあり、谷筋は水深4,600mの喜界海盆南部まで追跡できる。フィリピン海プレートにのる奄美海台が海溝陸側斜面を押していることから谷の流路も影響を受け複雑な流路をとる。[海6503、6725]



O45. 中種子(なかたね)海底谷 (図V-2)

30°25′N、131°15′E。水深300-2,200m。長さ25km。種子島東方の陸棚斜面を削り、水深2,200m付近で海盆状に開けた所にでるが、構造上の谷地形は喜界海盆北部の4,600mまで追跡できる。[海6601]



O46. 西魚釣(にしうおつり)海底谷 (図V-2)

25°30′N、122°55′E。水深150-1,700m。長さ70km。尖閣諸島魚釣島西方の大陸棚外縁にはじまり、沖縄舟状海盆に入る。谷の断面はU字谷。水深1,000m付近で比深500mほど。[海6315]



O47. 西五島(にしごとう)陸棚谷群 (図V-2,図VI-2)

32°40′N、128°05′E。200m以浅。長さ約1,500km。上流部は済州島の北を通り、黄海さらには渤海湾にまでさかのぼれるが、谷筋は埋積されとぎれとぎれになる。下流の末端部では北西-南東方向をもつ3筋の谷がみられる。幅8km前後、浅い凹地形断面をもち、福江海盆に流入する。氷期には流路の大部分が陸上で侵食を受けた。[海6349]



O48. 野島(のじま)海底谷 (図IV-1,図IV-2)

34°47′N、139°50′E。水深100-1,900m。長さ11km。房総半島野島埼沖大陸棚外縁から陸棚斜面を刻む。[海6640]



O49. 八丈(はちじょう)海底谷 (図VII-1)

33°20′N、141°15′E。水深1,900-5,000m。長さ65km。八丈島東方の大陸斜面を浅く刻む海底谷。5-10km北にはほぼ平行するように北八丈海底谷がある。[海6603]



O50. 東黄尾(ひがしこうび)海底谷 (図V-2)

26°N、124°05′E。水深150-1,900m。長さ65km。尖閣諸島赤尾嶼西方大陸棚外縁から沖縄舟状海盆に達する谷。少し蛇行する。水深1,000m付近の下刻は800m程度。[海6315]



O51. 東五島(ひがしごとう)陸棚谷群 (図V-2,図VI-2)

33°20′N、128°35′E。水深150-200m。長さ125km。対馬南西沖に発し、2筋の顕著な谷が大陸棚をほぼ直線状に流れ、福江海盆で中央五島陸棚谷群と合流する。流路は構造地形であるが、氷期の海面低下期の陸化侵食による地形を残す。[海6347、6349]



O52. 日高(ひだか)海底谷 (図IV-4,図IV-6)

33°40′N、135°05′E。水深150-1,500m。長さ31km。紀伊水道沖、大陸棚外縁付近から発し、室戸舟状海盆に流入する。陸棚斜面を50-600m侵食している。[海6634、6602]



O53. 氷見(ひみ)海底谷 (図VI-4)

36°52′N、137°05′E。水深70-860m。長さ10km。富山湾西岸氷見沖大陸棚外縁付近に2つの谷頭があり、水深800mまでは比較的急峻である。水深400mでの切れ込みは200m以上である。庄海底谷と合流する。[海6662]



O54. 平塚(ひらつか)海底谷 (図IV-2)

35°10′N、139°20′E。水深60-1,280m。長さ19km。相模川河口沖相模舟状海盆の斜面を流れる。上・下流部を除く大半はU字谷である。[海6363-5]



O55. 広尾(ひろお)海底谷 (図III-1)

42°05′N、144°45′E。長さ125km。釧路海底谷の支流。大陸斜面上部の水深800m付近から始まり、深海平坦面をほぼ東南東方向に下刻する。平坦面上での比深は100m程度で、水深4,500m付近で釧路海底谷に合流する。谷頭は数条に分かれるが、水深1,300mまでに合流し一条になる。[海6311]



O56. 房総(ぼうそう)海底谷 (図IV-3)

34°45′N、140°10′E。水深2,500-6,500m。長さ150km。相模舟状海盆下流部の北壁沿いに蛇行を重ねながら、勝浦海盆に流入する。流入部には房総海底扇状地が形成されている。[海6642、6603]



O57. 本宮山(ほんぐうさん)海底谷 (図IV-4)

34°25′N、137°40′E。水深100-1,200m。長さ35km。浜名湖沖大陸棚から陸棚斜面を刻む。上流部で強い蛇行を示す。下流部は天竜海底谷に繋がる。そこでの比深は400mほどである。[海6639、6602]



O58. 三浦(みうら)海底谷 (図IV-1,図IV-2)

35°11′N、139°30′E。水深100-1,430m。長さ25km。三浦半島西海岸沖を相模舟状海盆に向けて流れる。[海6363-5]



O59. 御蔵(みくら)海底谷 (図IV-3,図VII-1)

33°50′N、140°45′E。水深700-7,800m。長さ120km。伊豆諸島御蔵島東方の大陸斜面を流れる。[海6642、6603]



O60. 明神(みょうじん)海底谷 (図VII-1)

31°50′N、140°20′E。水深900-5,400m。長さ155m。須美寿島を乗せる地塊の北東陸棚斜面から始まり、伊豆・小笠原海溝陸側斜面のベンチに堆積物を運ぶ。上流の1,800m以浅には斜面を浅く刻む沢山の支谷がある。[海6527、6302]



O61. 布良(めら)海底谷 (図IV-1,図IV-2)

34°55′N、139°35′E。水深50-1,660m。長さ35km。房総半島布良沖から相模舟状海盆に流入する。[海6640]



O62. 四方(よがた)海底谷 (図VI-4,図VI-5)

36°48′N、137°11′E。水深10-760m。長さ11km。富山湾の陸棚斜面を刻む谷のひとつ。谷頭は2つに分かれ四方沖の水深50m以浅にはじまる。谷本体は水深760mで神通海底谷と合流する。[海6334]